イギリス最高峰の音楽アワード

先週末、今年のMercury Prizeの受賞者が発表になった。

マーキュリープライズとは、92年にBrit awardsのオルタナ版として作られたアワード。審査員はレーベルや出版社ではなくミュージシャンやジャーナリスト、音楽媒体に関わる人々から構成され、CDの売り上げ枚数とは全く関係なく純粋に音楽性が審査される。そのためそれまで注目されていなかった、予想外のアーティストが賞を取ることが多く、そのギャップのため逆に受賞後作品の売り上げが伸びるケースが多い。過去の受賞者はJames Blake, PJ Harveyなど。(ちなみにイギリス人、またはイギリス人メンバーのいるバンドのみが審査対象となっている)

沢山あるイギリスの音楽アワードの中でどれが最高峰かは基準が難しいところだが、『音楽性』というところでは間違いなくこの賞が一番そこに重点を置いている。

そんなマーキュリープライズの今年の受賞者は、Konnichiwaというアルバムを発表したSkepta。

今やイギリスのグライムシーン(UKガラージ、2ステップ、トラップなどのクラブミュージックに、ラップやレゲエ、トラップなどの要素を加えた音楽ジャンル。 2000年代からイギリスの若者の間で人気)を代表するSkeptaは、セルフリリースを続けてきた活動自体が話題になっている。大きなコーポレートのしがらみにとらわれない、ストリート発祥でリアルなアーティストというイメージは、このUK独特の音楽ジャンルのコンセプトとも相性が良い。

ここからは個人的な見解だが、オルタナ思考のこのアワードは、そんなストーリーも含めてこのアーティストを選んだのかもしれないとつい思ってしまう。
受賞インタビューでも、彼はこの賞を取ったことで色々な環境が変わってくると語アーティストにとってはその後のキャリアを変えるぐらい大きな賞なのだ。

イギリスの音楽アワードの話が出たところで、他にどんなアワードがあるのか、いくつかご紹介する。

Brit awards イギリス人アーティストにスポットライトを当てたアワード。80年代からTV放送が毎年話題になり、フレディーマーキュリーの最後のメデイア出演、BlurとOasisの確執など様々な伝説のシーンを残している。―過去の受賞者:Adele, Ed Sheeranなど

NME Awards 音楽雑誌NMEが発表するアワード。雑誌のカラーからしてロック色が強い。―過去の受賞者:Franz Ferdinand, Arctic Monkeysなど

Ivor Novello awards 作家団体によって選ばれるアワード。こちらも出版社やレーベルではなく、著名なコンポーザーが審査員となっていることから、ソングライティング自体に重点が置かれる。ーEd Sheeran, Tom Odellなど

それぞれ特徴のあるイギリスの音楽アワードだが、音楽の枠を超えたジャンルだと、BAFTA(BRITISH ACADEMY OF FILM AND TELEVISION ARTS)が一番大きなアワードだ。アカデミー賞のイギリス版とも言えるこの賞は、映画からテレビ、そしてそのサウンドトラック、ゲーム、子供向けのエンターテイメントなど幅広くカバーしている。BBCの音楽番組のプロデューサーだった義父は、1979年にこの名誉ある賞を受賞したという。彼はキャリアのピークで亡くなってしまったのだが、BAFTAを受賞したことは、間違いなく何代にも渡り語り継がれるほど素晴らしい功績だ。

img_1252BAFTAアワードのトロフィー

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