The New Live Music Experience

 

数年前にイギリスのシークレットシネマに行ってからというもの、ライブとしてのライブ以上の『体験』に興味を持つようになった。シークレットなのであまり詳しい内容を書くのも気がひけるが、開催場所とドレスコードは参加者のみに伝えられ、一見何もないような空き家に一歩踏み込むと、映画の世界が完全に再現された空間が広がっているという体験型のショーだ。

 

先日行ってみたのは、Southbank Centreというギャラリー・劇場施設の裏のボイラールームが会場となっていた体験型ライブ、Klanghaus。参加者は歩きやすい靴で来るように言われ、セットなのかリアルなのかどちらとも言えないパイプや排気口をくぐり、Neutrinosというバンドが一緒に移動しながら演奏と演劇を繰り広げる。普段目にしないボイラールームという裏の空間には、ビジュアルアーティストSal Pittmanによるサイケデリックな演出が映し出される。すごいドイツっぽい、と思ったら、やはりベルリンで始まった企画だそうだが、バンドの歌と演奏は実験的というよりもどこか懐古的で普通に歌として良かった。

 

体験型と言えば、昨年ロンドンで行われていたBjork digitalも新鮮な体験だった。

バーチャルリアリティの普及はこれからどんどん広がりそうだが、ライブ体験にも大きな変化をもたらしそうだ。参加者はVRのヘッドセットがある部屋をいくつも移動していき、一見何もない部屋が、ヘッドセットを着けた瞬間、360°ビヨークの世界に惹き込まれる。近づいたり角度を変えるたびに、音のバランスも変わり、まさに視覚と聴覚で立体感を味わえる不思議な感覚。全て個人のヘッドセット内で見える世界なので、ハタから見れば、無音の中集団がウロウロ動いている光景は少し不気味かもしれない、、!

 

 こちらはライブというよりはエキシビションだが、Victoria & Albert Museum でのPink Floyd展も良かった。前回のビートルズ展同様、ゼンハイザーがスポンサーとなり、参加者に渡されたヘッドフォンが展示に近づくと反応する仕組みになっている。周りの音を気にせず、それぞれのペースで音楽とドキュメンタリーを楽しめる。最後の部屋ではヘッドフォンを外し、3D音像でみんなでライブ体験ができるというのも粋な演出だ。

これらの内容から、これからの新しいライブ体験とは何か?と考えてみたところ、大きく3つの方向が見えてきた。

1.特別な非日常的な空間に誘うこと。シークレットシネマでもVRにしても、日常からの逃避行という意味でのライブ体験。

2.音楽と場所とのコラボレーション。スピリチュアル的な何かかもしれないし、歴史、立地や空気感など、やはり場所というものにはそれぞれエネルギーがある。あえてその空間に合わせて、その場所ならではの演奏ができるのも、音楽の素晴らしさだ。Pink Floydは70年代にポンペイの遺跡での無人ライブという、そんなコンセプトの真骨頂のような企画をやってのけている。

3.個人単位というカスタマイズ化。一体感を楽しむのももちろんライブの醍醐味だが、ヘッドセットを通して自分だけの音、ペースというのもまた贅沢な楽しみ方だ。

そんなことを考え、今年のライブは場所にこだわって企画することができた。
東京公演は、スカイツリーにあるコニカミノルタ『天空』プラネタリウム。実際に星空のショーを鑑賞しに行ってびっくりしたのだが、自分が子供の頃に見たプラネタリウムから飛躍的に進化した映像と演出に圧巻された。そんな中でライブができることを、心から楽しみにしている。
●『LIVE in the DARK』●

★日程:2017年9月15日(金)

★時間:1st Stage 19:30開演(19:00開場) / 2nd Stage 21:30開演(21:00開場)
詳細、ご予約→ https://planetarium.konicaminolta.jp/tenku/livedark/

関西公演は、旧財閥の別邸として、80余年の歴史ある神戸の純和風建築「蘇州園」が舞台になる。さらには同会場が誇る上質なお食事とともに、『時代を超える普遍的な歌の力』をテーマにしたライブをお届けする。

●『Live@Garden Place Soshuuen』●

★日程:2017年9月22日(金)

★時間:ディナー 19:00~20:30(18:00開場) /1st Stage 20:30開演/2nd Stage 21:15開演

詳細、ご予約→ http://soshuen.jp/top/riefu.html

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