Japan Tour 2017

一年に一度の日本のライブ、東京&神戸公演が無事幕を閉じた。

東京はコニカミノルタプラネタリウム『天空』という最高に贅沢な環境で。何ヶ月も前から曲に合わせた360°の映像の演出を準備していただき、星空だけでなく、花びらやツキアカリ、大海原など日常を忘れるような幻想的な空間の中で歌う事ができて、今迄行ってきたライブの中でも格別に思い出深いものになった。ストリングスとのコラボも念願で、出産したばかりの中、秀逸な演奏をしてくれた旧友、佐藤ほのかちゃん、朗らかな人柄と上品な演奏の渡辺雅弦さんにも心から感謝。

神戸公演は蘇州園という純和風建築のとても趣がある場所。会場入りしてびっくりしたのは、各お客様の名前カードがテーブルに並べられていたこと!まるで上品な披露宴会場のような雰囲気の中、美味しいお食事と音楽をお届けできる機会になった。

The Japan tour once a year has successfully finished-two sold out shows in Tokyo and Kobe. Tokyo venue was a planetarium, Konica Minolta “Tenkuu” with a 360-degrees-dome screen above the audience projecting constellations, flower petals, moonlit skies and ocean waves…it was truly fantastic and was one of the most memorable gigs I’d ever done. I played the keyboard and acoustic guitar, accompanying violin and cello, two talented and graceful musicians.

Kobe venue was a traditional Japanese architecture estate, Soshuen, historical venue used for wedding receptions. Looking out into the Japanese garden, crickets announcing the beginning of the autumn season, I sat in front of the grand piano, with the audience seated in round tables just like an actual wedding reception.

日本でのライブは去年の12月以来だったにも関わらず、いつも来て下さるファンの方々の懐かしい顔があり、感謝とともに、今後のことを考える良い機会になった。

日本のお客様はもちろんのこと、スタッフの方々、会う方全てが神々しく見えて(その理由はイギリス人の仕事の仕方との対比でも浮き彫りになっている)、あれ、じゃあ何でイギリスに住んでいるんだろう、日本に帰ればいいのに。。という考えすらよぎってしまった。それでも改めてフォーカスをはっきりさせていくべきことは、

イギリスで、アーティストとしての活動を軌道に乗せること

という大きな目標。やっと今年EPのリリースができて、協力してくれるマネジメントも見つかり、来年にはツアーやアルバムもできたらと企画している。こんなチャンス二度とないし、日本人のアーティストとして快挙になるような実績も残したい。しかしそれと同時に、今迄の日本での活動も大切にしていかなければいけない、というのが、今回の滞在で強く実感した事だ。

Despite having the 9-month-gap since the last time I played in Japan, I recognized familiar faces in the audience who have supported me for many years. I was truly grateful, at the same time thought a lot about what I should do next.

Everyone I meet in Japan is super-nice, police, supportive and truly genuine. I have to be honest and say that it doesn’t always work like that in the UK. Then why am I in the UK? I have to bring things into focus, and the purpose of my life in the UK at the moment is to get a foothold as an artist there, and to drive activity in my music career. I’ve had an incredible opportunity to release an EP, meet some amazing supporters, and ideally would love to tour and release an album from next year. I aspire to accomplish something that no other Japanese artist has achieved. At the same time, I need to cherish and continue what I have in Japan.

音楽活動とは、家を建てるようなことだ。

地盤を固めて、更に掘り下げ、柱を立て、骨組みを作り、屋根をつけて、、最後の塗装や内装の部分はファンの方々で成り立って、そこで初めて完成すると思っている。その完成まで、10年はかかる。そういった意味では、Rie fuというアーティストは、ここ数年でやっと家が完成したようなものだ。大豪邸ではないけれど、心地よくて、こだわりの素材で出来ていて、上品で知的なファンの方達の『塗装』や『インテリア』はセンスが良くて優しさで溢れていて、私にとって本当に特別な宝物だ。

それが海外に住んでいる事によって、空き家になってしまわないように、危機感を持たなくては、と痛感したのだ。

その解決策は、信頼出来る『管理人』を見つけること。メジャーレーベルから独立して5年。またマネジメントやレーベルと契約するのではなく、対等な関係で、ライブ企画やPR関係の方々と業務提携を結べないかと検討している。

『Rie fu』という家を作り上げて支えてくださるファンの方々に対して、しっかりと責任を持って守っていきたい。

Music activity is like building a home.

You find a solid ground, dig down, set up the pillars and make the foundation, put a roof on top…the finishing touches of exterior and interior is all done by the fans, and that’s when the home is finally established. The process is so extensive that it takes at least 10 years. In that sense, a home has finally been built for Rie fu in the recent years. It’s not a huge mansion, but it’s cozy and refined, warm exterior and interior done by the elegant and intelligent fans, a true treasure for me.

I’m sensing this fear that it could be an empty nest while I’m living abroad, and this is what I realized through this year’s Japan tour.

The solution to this is to find a “property management”for this home while I’m away. I’m considering working with third parties about this, between companies, rather than a more traditional manager/label to artist relationships.

I’m devoted to maintaining my responsibility towards this beautiful home the fans helped me to build and support.

 

対照的にイギリスでのRié 名義の活動はというと、地盤を固めるどころか、やっと土地が見つかったぐらいの段階だ。しかし正直なところ、完成まで10年はかけてはいれらない。今迄の日本での活動の経験値とバックグラウンドを生かして、少しでもスピードアップして進められたらと思っている。

On the contrary, my activity in the UK as Rié is only at the initial stage. I’ve only found a place that could potentially be my piece of land. But to be honest, I can’t afford to take 10 years to finish building a new home. I am hoping I could use my experience and background of my career in Japan of to generate more speed and power.

イギリス人との仕事の仕方

今回の記事は、日本語限定。なぜならば、私の経験上編み出したイギリス人との仕事の仕方(対処法)を公開するからだ。

まず、イギリス人の仕事の仕方はどんなものを想像されるだろうか?
紳士?
。。。

最初にはっきりさせておくと、これから書くことは全てのイギリス人にあてはまる訳ではない。あくまでも個人的な経験上で、業種によっても変わってくるかもしれない。そして日本人よりもマメで丁寧なイギリス人も中にはいる。ただし、私が遭遇した約75パーセントのイギリス人の習性は下記の通りである。

1.得意技は責任のがれ
よく遭遇するのが、「たらい回しの刑」
家の問題、例えばネットが繋がらない、水回りの故障、銀行や保険などの事務手続きなどでよくあることは、「それは私の責任じゃないからここに電話して」と言われてそこに連絡するとまた同じことを言われ、挙げ句の果てには最初の番号に戻り、そこから無限ループ、誰も責任取って対応してくれない、という具合だ。

2.好物は優越感
お客様は神様、という日本人の考えとは真逆で、俺様が神様。もちろん仕事よりプライベートを優先。歯が痛くなっちゃったから、義理の親族が入院したから打ち合わせをドタキャン、1ヶ月のホリデーを取るから期日遅れる、など言われてももう驚かない。日本では、連休の前だからこそ仕事を詰める傾向にあるが、イギリスでは木曜の午後あたりからもう週末休日気分。金曜なんて半日しか働かない人も珍しくはない。

3.異常な速さで請求書を送りつけてくる
普段連絡が滞る人が、請求書を送るのだけは、はやっ!日本では月末締め翌月末、翌々月末支払いというところだが、イギリスではまだプロジェクトも始まってないのに打ち合わせ費と称して前払いを要求、しかも支払い期限は一週間ぐらい。見方を変えれば、その分日本と比べて支払いトラブルのケースが多いのかな?と想像される。

それらの対処法はこちらである。

1.裏付けドキュメントを揃えておく
たらい回しの刑の対処法は、ひたすら粘ること。武器は、物的証拠。ドキュメント、写真、データ、それらのドキュメントを用意しておく。
2.シタテに出つつ、ソフトに脅す
彼らの好物につけ込んで、こちらを助けることで彼らが優越感を得られるという雰囲気をちらつかせる。その為に、「困っている」ということを感情に訴えかける。そしてポイントは「ソフトな脅し」。ここで、彼らのもう一つの好物、マネーを匂わせる。つまり、問題が解決されなければお金を請求せざるを得ない、または支払いを見送らざるを得ない、と言うこと。大事なのは、「払いません」ではなく「払うことができなくなってしまう」と、あくまでも「困っている」感を貫くことだ。
3.期日に余裕を持たせ、バックアッププランを用意しておく
「この日までに〜します」は基本的に信用しないほうが安心だ。その為には、本来の期日よりかなり前の日程を伝え、またドタキャンの場合のためにバックアッププランを用意しておくこと。

こんな戦略を編み出してまでこちらで生活している今、痛感しているのは、

日本人の仕事ぶりは、
神でしかない。

に尽きる。

Good is Not Good Enough

(English follows)

この 1〜2週間で、Rie fuとしての作品とRiéとしての作品を連続でリリースする。
意図したことではないが、偶然同じ時期に重なったのだ。
紛らわしさのないように、この二つのプロジェクトについて説明していきたいと思う。

それぞれのアーティスト名の由来は、こちらの記事に書いた通りだ。
それぞれの活動で何がしたいか。ひとことで説明すると、
Rie fuとしては、「良い曲」を
Riéとしては、「異質な曲」を
発表したい。

I’m releasing new tracks over these couple of weeks under the two names Rie fu and Rié. The timing was not intended, it just happened to be around the same time. In order to avoid any confusion, I will explain what the differences of these two projects are about.

The story behind the two separate names were explained in this article.

The easiest way to explain the differences of the two projects is, that I want to create;

Good songs with Rie fu

Extraoridinary songs with Rié
「異質な」という表現は曖昧な部分もあるかもしれないが、英語でいうと、outstanding やextraordinaryといった言葉があてはまる。つまり、他とは違う、聴いたことがない斬新なもの。
ひねくれ者のイギリス人を唸らせるには、「良い曲」では全然物足りない。いい曲すぎるほどダサい、と思う人が大半の文化だ。ピンク・フロイド、ターナー、デミアンハースト然り、この国が生み出してきた伝説のアーティストたちは、例外なくと言っていいほど異質でずば抜けている。自分は既にイギリス人ではないという時点で、他とは違う要素を持っている。だからこそ既存のジャンルの音楽を作るのではなく、誰かの真似をするのではなく、他では聴いたことのない音楽、独自の視点の歌詞を描き出したい。

Personally speaking, a good song is not good enough to release in the U.K. Market—a good song is just a good song, nothing more. In a country that spawned extraordinary artists-whether it’s Pink Floyd, Turner, or Damien Hurst-every single one of them, almost without exception, have done something simply “different”. As a foreigner from a country very far away from the U.K, my identity would be already considered different. That’s why I can’t and should not fit into any genre nor replicate other styles, and focus on being unique.

日本では、特にメジャーレーベル時代は、いつもそのようなジャンルや形式を気にしていた。そして気付いたら、どこか本来の自分らしさを見失いかけていた。そして独立してはじめて気付いたことは、売れる曲を作ろうと思った時点でゲーム・オーバーだということ。なぜならば、売れるものを作ろうと思ったらどうしても、既に売れているものを参考にしてしまうからだ。
もちろんそういう産業が成り立っていることや、それを目指す人々に対しての批判は何もない。ただ、自分に合うか合わないかという問題だ。

When I was in Japan, especially when I was working with a major label, I was always conscious of genres and formats of pop music. As a result, I had lost a part of my originality. I fled from the label to establish my own environment, and that’s when I realized that The game is over once you start thinking about selling yourself. That’s because when you start thinking about such thing, you would always refer to what’s already popular. I have no objection towards the industry and people that replicate a selling-format, but it just wasn’t for me.

とはいえイギリスでも、同様にジャンルやヒットの形式がはっきりしていることを思い知った。トレンドの流れは日本と比べて断然早いが、それでも流行りものに乗っかるという産業は下手したら日本よりも貪欲であからさまだ。
それさえも自分にとって、イギリスが与える試練のような気がしている。革新的な作品を生み出して来たアーティストたちも、その分大きな批評も受けて来て、大きな垣根を超えられるからこそ偉大な作品とも言えるのだ。

However, I have crossed continents to discover that such format is just as well popular here in the U.K. The speed of trend-shift is much faster than Japan, but the tendency to follow the format that’s already selling is even more obvious and contrived. That in itself seems to me as a trial worth challenging. All groundbreaking art are destined to draw criticism, and they become outstanding achievements because they over come those obstacles.

日本ではどうだろうか。良いものは良い、それ以外は「違う、異質なもの」という見方をする文化だ。頑張って垣根を超えたところで得られるものは、「ますます違う、異質なもの」という評価でしかないような気がする。語弊のないように付け足すと、日本の音楽の受け取り方がつまらないというわけではない。そういった感性が日本の美徳ということに、海外から客観的に見てはじめて気付き、逆に、日本人の耳に向けて、普遍的な良さという価値観をテーマにした楽曲を作りたいと思うようになったのだ。

その二つの感性が自分にとっての個性でもあり、二つの音楽を追求していくことを通して、新たな発見があることを楽しみにしている。

How do they percieve uniqueness in Japan? Good things are good, but different things are also just different, nothing more, technically speaking. Even if you overcome the criticism and create something unique and groundbreaking, that’s just another different thing, no other value added. You see, that doesn’t mean that the Japanese appreciation of art is boring, but it’s actually a very significant characteristic amongst the virtues of Japanese culture.

These two characteristics combined are what my mind consist of, and I cannot wait to discover more through pursuing these two styles.