Learning to Drive

ロンドン大学院生活、では実際にどんなことを勉強しているのか、自分のための復習がてら書いていきたいと思う。

翻訳科といっても、言語別の翻訳の課題があるのは医療翻訳の授業ぐらいで、他はどの言語であれ共通の翻訳・通訳理論と、翻訳メモリというコンピューター技術の使い方を学ぶ授業。

(翻訳メモリ(TM)とは、自分または他人が過去に行った翻訳をTMと呼ばれるデータベースに登録しておきリサイクルするツールである。TM には原文と訳文のペアが大量に蓄積されており、翻訳者はWordもしくはエディタなどで翻訳中に翻訳済みの文をTM に登録する操作と、TMを参照してリサイクルできる訳文を探す操作を交互に繰り返す。)

日本翻訳連盟ウェブサイトより引用

全自動の翻訳ではないが、自分が訳したものを記録してくれて、同じものが出てきたら指摘してくれるという翻訳のお助けツール。他にも選択授業でボイスオーバーや字幕などを付けるツールの使い方、ウェブサイトのローカライゼーションの授業など、実用的なことが学べる。

ここまでこのコースで学んだ、翻訳の勉強ってこんなことなんだ?ということ、またそこから気づいたことを書いてみたいと思う。

翻訳理論はイギリスらしく、ここまでやるかというぐらい深く掘り下げて長々と論じていく。たとえば…

  • 同言語間の訳(子供向けに簡単な言葉にするなど)
  • 翻訳者の意思をどのぐらい反映するか
  • 文化の違いでどうしても訳せない言葉の対処法
  • 文章に隠された権力の差をどう再現するか
  • しまいにはわざと『翻訳された文章』のように見せかけて本当はオリジナルの文章、というジャンルの専門分野もあるぐらいだ。

また通訳は翻訳とは違ってその場で瞬時的に行われるものなので、歴史や理論が異なってくる。世界で同時通訳が初めて公式に行われたのは第一次世界大戦後のドイツでの裁判で、二つの言語を話す人が仲介人になった歴史は古代からあるものの、世界規模で記録されている事例はまだ歴史が浅いという。翻訳や通訳が学問として本格的に研究されるようになったのも、20世紀になってからのことなのだ。

そしてここまでで気づいたことは…

  • 翻訳・通訳は実際に訳す作業が大事だと思っていたが、その前に大きな全体像を見ることが必要
  • バイリンガルの人はみんなできると思われがちだが、それは車を買ったら誰でも運転できるという発想と同じようなものかもしれない。路上に出る前に道路標識やルール、シチュエーションごとの対処法を学ぶことが必要。
  • そして何より、美しい日本語をもっと身につけたいと思った。
  • それは、英語が『内容の意味』重視なのに対して、日本語は同じことでも口調や文法の置き換え方によって捉え方が大きく変わってくるからだ。

予想以上の勉強量に疲弊しそうだが、この学べる機会を大事にしていきたいと思う。

 

「Learning to Drive」への1件のフィードバック

  1. こんにちわ。
    私がいつも聴いているライブストリーミングの歌手(drezzdieという人)がRie Fuさんの歌をよくカバーしているので、ウェブサイト訪問してみました。
    私は翻訳で生活しているのですが、Rie Fuさんのような才能のある人が翻訳の勉強をしているのはちょっと驚きました。最近のグーグル翻訳はディープラーニングが取り入れられており、以前の自動翻訳とは大きく異なっています。特許や法令、それに一般的な翻訳は近い将来仕事として成り立たなくなると思います。将来的にも人による翻訳が必要になるのは小説の翻訳ぐらいでしょうか。
    最後に、素晴らしい音楽を提供してくれてありがとう!

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