Japan Tour 2018

Japan Tour 2018

2週間の日本への滞在を終え、今は空港のラウンジでこれを書いている。

思い返せば、デビュー当時もこうやってイギリスと往復して活動していた。あれから時代が変わり、世界のどこにいても、オンラインで繋がれる今、日本とイギリスの距離感がどんどん近くなっている気がする。だが近くなっても、文化のギャップは広がっていくばかり。工事現場だらけで街並は変わり続けても、社会の考え方は何十年も変わらないままの東京と、何百年も同じ街並ながらも、常に新しい発想やカルチャーに敏感なロンドン。日本は日常が円滑に進む事が重要視される。サービス、流通、交通…その便利さに慣れてしまうと、それが「普通」になってしまい、退屈ささえ覚える事もある。しかし、物事が円滑に進むことのほうが珍しいイギリスのような国で暮らしてみると、いかに日本が素晴らしいか、当たり前に思っていた環境の裏にどれだけの人の努力と働きがあるのか、痛感する。しかしこれでは、常にどこにいても隣の芝生の青さを羨むばかり。自分は大使ではあるまいし、2つの国の架け橋になる使命があるわけでもない。2つの環境をうまく利用してできることを探るのが良いのかもしれない。例えば、日本のでのプロモーションでは自然とイギリスの話に興味を持っていただけるし、イギリスでは日本人ということや日本らしさを個性としてアピールできる。どちらの環境でも、その場所で他とは違うキャラクターを持つ事ができる。

After 2 weeks in Japan, I’m on my way back to the UK, writing this at the airport lounge.

Looking back, when I first made my major label debut, I was commuting between Japan and the UK like this. Since then, time has changed and the world has become a smaller place thanks to the internet, yet the cultural  distance seems to grow more and more apart in the case of Japan and the UK. In a city constantly being rebuilt and renovated, Tokyo still runs according to the same conservative mindset and social expectations. Where the landmarks and houses have aged for more than a hundred years, the social, political, and environmental mindset of London keeps on renewing its standards constantly. After spending a while in Japan, you start taking the social punctuality for granted, almost to the point that it feels dull and mundane. But when you come back to the UK, where the standards of train times and services are very different, you appreciate the diligence that keeps life in japan running like clockwork. My point here is that the grass is always greener on the other side. I’m no diplomat or a cultural mediator; all I can do is to utilize and optimize this environment. For example, when I was promoting my single in Japan, most of the questions asked in interviews were about The culture, music, life in the UK. On the other hand, part of my usp in the UK is the identity as a Japanese. Having these two elements in itself is a unique identity as an artist.

今回の一時帰国は翻訳の勉強を始めてからは初めての帰国だったので、そういった文化の違いを意識するようになった。翻訳の勉強と切っても切れない関係にあるのが、文化。言い回し、ことわざ、ユーモアまでが、それぞれの文化に深く根付いており、だからこそ表面上の言葉の直訳は不可能だ。

様々な「ことば」の背景にどれだけの「内容(context)」が含まれているか比較した論説があり、それによると、日本は世界で最も、ことばに含まれる内容が多い言語だと言う。逆に言えば、少ないことばで多くを語り、むしろことばがなくても伝わることが期待されている。英語は全部言わないと伝わらないし、「空気を読む」という発想もない。空気を読まない人達が集まるとどうなるかというと、そこはジャングル。ぼーっとしてたら置いていかれるし、生き延びるために、真っ先に自分の利益を中心に考える。良い話はたいてい詐欺、善意も信用出来ない。日本の義理、人情、恩、などといった精神は、イギリスでは存在しないのだ。

内容が散漫になってしまったが、何が言いたいかというと、

言語の違いを超えて、そんな文化の違いを常に俯瞰して観て行くことが、今後の活動の指針になるということを、今回のツアーで実感した。それは、大切なファンのみなさんが、Rie fuの曲だけではなく、私自身の人生の変化や成長を見守って下さっていることに、気付いたからだ。

翻訳学でも、「言語」自体にとらわれすぎると、下手な訳になってしまう。言葉を捨てて、コンセプトがシンボルやヴィジョンになったとき、その本来の意味を掴む事ができる。音楽でも、サウンドや音自体にとらわれすぎると、本末転倒になってしまう。物事が円滑に進むことがよしとされる日本だからこそ、一度「音楽活動」を始めると、定期的にリリース、ツアーを繰り返す。そして音楽の中身が薄れ、「音」だけになってしまう。

だからこそ、音楽で伝えたいことは何なのかを、人生経験を通して常に問い続けなければいけない。そのためには、環境の変化も必要だ。時には、長い間同じ環境を保ち続けるということも大事な経験。問題は、その経験を通して何を学び、それによって自分がどう成長できるかということだ。

私が今ここにいる理由を、これからも探してる。