イギリス人との仕事の仕方

今回の記事は、日本語限定。なぜならば、私の経験上編み出したイギリス人との仕事の仕方(対処法)を公開するからだ。

まず、イギリス人の仕事の仕方はどんなものを想像されるだろうか?
紳士?
。。。

最初にはっきりさせておくと、これから書くことは全てのイギリス人にあてはまる訳ではない。あくまでも個人的な経験上で、業種によっても変わってくるかもしれない。そして日本人よりもマメで丁寧なイギリス人も中にはいる。ただし、私が遭遇した約75パーセントのイギリス人の習性は下記の通りである。

1.得意技は責任のがれ
よく遭遇するのが、「たらい回しの刑」
家の問題、例えばネットが繋がらない、水回りの故障、銀行や保険などの事務手続きなどでよくあることは、「それは私の責任じゃないからここに電話して」と言われてそこに連絡するとまた同じことを言われ、挙げ句の果てには最初の番号に戻り、そこから無限ループ、誰も責任取って対応してくれない、という具合だ。

2.好物は優越感
お客様は神様、という日本人の考えとは真逆で、俺様が神様。もちろん仕事よりプライベートを優先。歯が痛くなっちゃったから、義理の親族が入院したから打ち合わせをドタキャン、1ヶ月のホリデーを取るから期日遅れる、など言われてももう驚かない。日本では、連休の前だからこそ仕事を詰める傾向にあるが、イギリスでは木曜の午後あたりからもう週末休日気分。金曜なんて半日しか働かない人も珍しくはない。

3.異常な速さで請求書を送りつけてくる
普段連絡が滞る人が、請求書を送るのだけは、はやっ!日本では月末締め翌月末、翌々月末支払いというところだが、イギリスではまだプロジェクトも始まってないのに打ち合わせ費と称して前払いを要求、しかも支払い期限は一週間ぐらい。見方を変えれば、その分日本と比べて支払いトラブルのケースが多いのかな?と想像される。

それらの対処法はこちらである。

1.裏付けドキュメントを揃えておく
たらい回しの刑の対処法は、ひたすら粘ること。武器は、物的証拠。ドキュメント、写真、データ、それらのドキュメントを用意しておく。
2.シタテに出つつ、ソフトに脅す
彼らの好物につけ込んで、こちらを助けることで彼らが優越感を得られるという雰囲気をちらつかせる。その為に、「困っている」ということを感情に訴えかける。そしてポイントは「ソフトな脅し」。ここで、彼らのもう一つの好物、マネーを匂わせる。つまり、問題が解決されなければお金を請求せざるを得ない、または支払いを見送らざるを得ない、と言うこと。大事なのは、「払いません」ではなく「払うことができなくなってしまう」と、あくまでも「困っている」感を貫くことだ。
3.期日に余裕を持たせ、バックアッププランを用意しておく
「この日までに〜します」は基本的に信用しないほうが安心だ。その為には、本来の期日よりかなり前の日程を伝え、またドタキャンの場合のためにバックアッププランを用意しておくこと。

こんな戦略を編み出してまでこちらで生活している今、痛感しているのは、

日本人の仕事ぶりは、
神でしかない。

に尽きる。

イギリスの田舎でタイムトラベル

夏目漱石が『倫敦塔』でロンドンの情景を表した、こんな一節がある。

見渡したところすべての物が静かである。物憂げに見える、眠っている、
皆過去の感じである。

漱石の時代から既に『過去の感じ』だったロンドンだが、今でもそのなんとも言えない憂いと、時空の停滞感は健在だ。むしろロンドンはいいほうで、郊外に足を運ぶと、更に500年ぐらいタイムスリップした感覚が味わえる。

以前紹介したイギリス各地に点在するナショナルトラストの屋敷をはじめとし、田舎を探索すれば数々の名所が何百年も全く変わらずに存在している。個人的に19世紀の風景画が好きなのだが、ゲインズボローやターナーなどによる名画の元になった風景が、田舎に行けばそっくりそのまま広がっているのだ。


Thomas Gainsborough “Wooded Landscape with a Peasant Resting”

絵のモチーフになった場所ではないが、こちらはStourheadというお屋敷の広大なお庭。


当時の風景画家達が魅了されたのも納得がいく絶景。

先日、11世紀末創立という歴史を持つオックスフォード大学を訪れた。
街並み、大学の建物はもちろんのこと、学生の日々の習慣も伝統を重んじられているようで、時を知らせる鐘の音からもその歴史が伝わってきた。

滞在先は、学生街から車で40分ほどのAylesburyという村の古民家だったのだが、ホテルや結婚パーティー、映画やドラマの撮影場所としても貸し出している大きな邸宅だった。家主さんが、大きなセントバナード犬とともに出迎えてくれた。
この建物、なんと14世紀に建てられたという。敷地内に牧場もあり、自家製の豚や鶏を朝食に出してくれた(可愛い子ブタちゃん達を観たあとだと少し気がひけるが。。)


オックスフォードからさらに北上すると、
世界遺産に登録されているブレナム(Blenheim)宮殿がある。宮殿というだけあって、イギリス・バロック様式で建てられた豪華な建築で、18世紀はじめにマールバラ公ジョン・チャーチルの邸宅として完成された。苗字からご察しの通り、この方の子孫は第二次世界大戦中に首相を務めたウィンストン・チャーチルである。宮殿ツアーを散策すると、元首相が産まれた部屋が当時のまま再現されていた。この宮殿ツアーには、細やかに動く人形などを使ったオーディオビジュアルツアーもあり、さすが世界遺産なだけあって、観光客を魅せる工夫が一段となされていた。


公爵といいつつもこの家系は一時自己破産しかけ、第9代公とアメリカ人大富豪の娘の結婚のおかげで宮殿を持ち直すことができたという。(個人的にこのアメリカ人妻に興味を持って、彼女の自伝を買ってしまったぐらい。その本には、お嫁入りした際に写真のパイプオルガンの演奏を聴いたことなどが書かれている。)さらにウィキペディアによると、現公爵である第12代マールバラ公は薬物中毒者として著名だそうだ。有り余るお金と伝統、名誉ある称号を背負って産まれてきたイギリスの上流階級の実態は、デカダンで破天荒な一面もあるのかもしれない。

今イギリスでちょっと話題の人

イギリスの国民的なオーディンション番組、The X Factor.

ワン・ダイレクション、レオナ・ルイスなどを輩出したことで有名なこの番組は、音楽業界の黒幕、毒舌サイモン•カウルがプロデュースや審査員に関わっていることで有名なのだが、4人の芸能人審査員に加えて、視聴者からの投票で毎月オーディション参加者のランキングが発表される。

個人的にはこれはとんでもないビジネスモデルだと思っている。視聴者投票とはいえ携帯からの投票には多少お金がかかる。更に番組内で賞金や賞品があり、視聴者が応募できる仕組みになっている。つまりテレビ上の宝くじだ。賞金額に比べて応募者数ははるかに多く、番組側はこれから売り出していくオーディション優勝者候補の大々的なプロモーションをしながら、同時にスポンサー以外からもお金を巻き上げることができのだ。

プロのアーティストを目指すソロやグループの若者が中心のこのオーディション番組だが、その中でも今年は風変わりなコンテスタントとして注目されているのが、自称ラップアーティスト、ハニーG。

(日本からも試聴できる??↑)

nintchdbpict000262191289どう見てもイタいジャージ姿のオバチャンでありながらも自信満々に振る舞う態度で注目されているが、パフォーマンスはというと意外とリズムからズレていないしバカにできないクオリティ。この絶妙なキャラクターに、視聴者からは賛否両論の反応だ。

 

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実はこれは俳優がキャラを演じていて番組のやらせなのでは、という説や、実はデイビッド・キャメロン元首相なのでは?というギャグまで出て来ているほどだが、

こうやって書いているとつくづくこれってイギリスだけの内輪ネタだなとも思えてくる。日本でもくだらない芸能ニュースで盛り上がるように、これも島国の共通点なのだろうか?と。

イギリス版流行語大賞があるとすれば今年はハニーGかもしれない。

~観光編~イギリス全土に広がる、生きた博物館

田舎暮らしを始めてから、週末車で郊外へ出かけることが多くなった。探してみるとそこら中に面白歴史スポットがゴロゴロ見つかるからだ。

ロンドン以外のイギリスと言えば、自然とパブ、そして歴史のあるお屋敷。18,19世紀で時が止まった建物が、今でも点在しているのだ。

それらの多くは代々由緒ある一家(リアル伯爵系)に受け継がれてきたのだが、いくら豪邸でも300歳にもなると管理が大変らしく、今ではそれらの多くをNational Trust という団体が管理している。

とあるTV番組では、放置されて散らかり放題の屋敷をOCD(脅迫性障害)の潔癖性の人たちが掃除しまくる、という企画があるぐらいだからイギリス人も色々と考えるものだ。

イギリス全土のお屋敷だけでなく、広大な庭や森などの敷地500カ所近くがNational Trustの管理下にあり、会員になるとそれらの施設にどこでも無料で入る事ができる。

(ちなみに入場料は各施設£15ほど、年会費は一人£60ほどなので、頻繁に訪れるなら会員になった方がお得だ。)

だいたいの屋敷は壁一面を埋め尽くす絵画コレクション、彫刻、ゴージャスなインテリアで溢れ、それら一つ一つに一族の興味深い歴史が刻まれている。

最近訪れたHatchlandsという屋敷とお庭(森)で発見したのは、なんと50近くものキーボード。

ショパンやマーラーが持っていたというヴィンテージピアノから、美しい装飾が施されたハープシコード、四角い机のかたちをしたクラビコードなど、楽器好きにはたまらないコレクションだ。

ゴージャスな部屋にピアノが敷き詰められるように沢山置いてあり、オーナー家族は普段普通に弾いているという。

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団体が管理しているというものの、それらの屋敷には今でも二階部分に家族が住んでいるパターンが多い。公開されている屋敷のリビングの一部分に小さなテレビと家族写真が並べれられていて、一部が庶民的になっているところも面白い。

こちらのPetworthの屋敷には、もともと使用人たちの屋敷だった別棟があり、ここれは昔のキッチンがそのまま再現されていて、食生活や暮らしぶりをより身近に知る事ができた。

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お庭がこの広さというのも凄い。巨大な池があって野生の鹿が生息している。

Stourheadという屋敷には数奇な歴史があった。この屋敷を第一次世界大戦前に受け継いだ一家。幼い子供を連れたその家族には、家が火事にあったり、戦争中に兵士の療養施設として開放したりと波乱が待ち構えていたが、最大の出来事は、立派に成長した一家の息子が戦死してしまったこと。お屋敷には息子と両親との手紙のやり取りや写真などが展示されていて、各部屋ごとにそのストーリーが紐解かれるレイアウトになっていた。

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様々な物語が、これらの場所では時が止まったように呼吸を続けている。(霊感ある人とか見えまくりスポットかも。)

この他にもまだまだ沢山の物語に遭遇できるのを楽しみにしている。

~番外編~イギリスでのドライビングレッスン

高校卒業後すぐ免許は取ったものの、ペーパードライバーのまま十年以上経ってしまった。

しかし今住んでいるのは田舎。駅まで歩ける距離だし車がなくて困ることは一切ないが、何かあったときに旦那さんしか運転できないのは心配、

ということで、イギリスでペーパードライバー教習を受けてみる事にした。

こちらでは日本のように教習所に通うのではなく、個人の先生から一般道で学ぶようだ。

インストラクターはもちろん助手席にブレーキのついた車で、その資格を取るのも難しいらしい。

今回私が教えてもらったインストラクターは、定年後という明るい初老のおじさん。おしゃべりで車を止めてしゃべっている時間も長かったが、丁寧に教えてくれた。

イギリスの道路は相当クセものだ。

なぜかというと、極度のめんどくさがりや伝統を重んじるイギリスでは、馬車を使っていた時代から道路幅を変えていない道路がいまだに多いからだ。

そんな道路に路駐だらけだから、対向車に常に気をつけなければいけない。

そしてもう一つの大きなクセものが、ラウンドアバウト。信号のない交差点で、ぐるぐるまわりながら3~4つの出口から自分の出口を見つけてタイミングよく出入りしないといけない。

このときウインカーを出さないといけないことになっているんだが、ほとんどの車が出さない。

なのでインストラクターに言われたことは、『誰も信用しちゃだめ!他の車は何するかわからないから全部疑って!』というアドバイス。

そしてラウンドアバウトに入る前に自分の出口行きの車線にいないといけない。どの車線かの標識は木々の枝に隠れて全然見えなかったりする。ちゃんと枝カットしてー!

日本よりもアグレッシブなイギリスのドライバー。

隠しカメラ大国なのでスピードを出し過ぎには注意だけど、遅すぎはもっと嫌がられるという。

私の性格上(加減が分からない、色々てきとうで雑、方向音痴、、)運転には向いていないことは分かっていたが、案の定思ったより多くのレッスンを受けることになってしまった。

ウィンカーってどっちだっけ?日本の車は違うんだよね~と言い訳をいいながらワイパー出てしまったり、カーブのスピードでインストラクターがスイングしてしまったり、、

何はともあれ無事に車に傷を付けずに一通りのレッスンを終えられただけで何よりだ。