~番外編~通訳/翻訳の世界を追求する

長年英語と日本語を話して来たが、その二言語の翻訳、通訳となるとまた違う脳を使うようだ。

イギリスで音楽以外でも能力を磨きたい、と思い、翻訳、通訳の勉強を始めることにした。

ネットの日本人コミュニティの掲示板で見つけた先生は、20年以上の翻訳、通訳の経験を持ち、こちらの名門大学でも教えていらっしゃるM先生。

翻訳について興味深いと思ったのは、必ずしも翻訳プロセスは等式ではないということ。翻訳する言語の国の文化や口調など、翻訳プロセスの中で考慮する要素が沢山あるのだ。その為直訳だと、逆に不自然になってしまう。

馴染みのあると思っていた2つの言語についてより深く考える機会になった。
と同時に、それぞれの言語のニュースや文学など、翻訳する以前に身につけておきたい教養も沢山ある。

以前、将来日本で音楽と英語教育を交えた企画をしたいと考えていると書いたが、それまでにこちらで翻訳に関しても色々と勉強していきたいと思っている。

 

~番外編~イギリスでのドライビングレッスン

高校卒業後すぐ免許は取ったものの、ペーパードライバーのまま十年以上経ってしまった。

しかし今住んでいるのは田舎。駅まで歩ける距離だし車がなくて困ることは一切ないが、何かあったときに旦那さんしか運転できないのは心配、

ということで、イギリスでペーパードライバー教習を受けてみる事にした。

こちらでは日本のように教習所に通うのではなく、個人の先生から一般道で学ぶようだ。

インストラクターはもちろん助手席にブレーキのついた車で、その資格を取るのも難しいらしい。

今回私が教えてもらったインストラクターは、定年後という明るい初老のおじさん。おしゃべりで車を止めてしゃべっている時間も長かったが、丁寧に教えてくれた。

イギリスの道路は相当クセものだ。

なぜかというと、極度のめんどくさがりや伝統を重んじるイギリスでは、馬車を使っていた時代から道路幅を変えていない道路がいまだに多いからだ。

そんな道路に路駐だらけだから、対向車に常に気をつけなければいけない。

そしてもう一つの大きなクセものが、ラウンドアバウト。信号のない交差点で、ぐるぐるまわりながら3~4つの出口から自分の出口を見つけてタイミングよく出入りしないといけない。

このときウインカーを出さないといけないことになっているんだが、ほとんどの車が出さない。

なのでインストラクターに言われたことは、『誰も信用しちゃだめ!他の車は何するかわからないから全部疑って!』というアドバイス。

そしてラウンドアバウトに入る前に自分の出口行きの車線にいないといけない。どの車線かの標識は木々の枝に隠れて全然見えなかったりする。ちゃんと枝カットしてー!

日本よりもアグレッシブなイギリスのドライバー。

隠しカメラ大国なのでスピードを出し過ぎには注意だけど、遅すぎはもっと嫌がられるという。

私の性格上(加減が分からない、色々てきとうで雑、方向音痴、、)運転には向いていないことは分かっていたが、案の定思ったより多くのレッスンを受けることになってしまった。

ウィンカーってどっちだっけ?日本の車は違うんだよね~と言い訳をいいながらワイパー出てしまったり、カーブのスピードでインストラクターがスイングしてしまったり、、

何はともあれ無事に車に傷を付けずに一通りのレッスンを終えられただけで何よりだ。

イギリスで初めてのボイストレーニング

イギリスでの習い事シリーズ。

歌手というものを12年間やってきた中で、実は一度もボイトレというものを受けた事がない。

ボイトレをすると自分の歌い方の個性が失われてしまうとデビュー当時から言われてきたからだ。

イギリスでの目標はアーティストとして成長する事、が一番。それに関わることなら何でも試してみたいと思っているので、ここで初めてのボイトレを受けてみる事にした。

ボイトレの先生は、日本の劇団四季、ニューヨーク、ロンドンと、クラシックからニュージカルまで幅広く学び経験を積んで来られた日本人のIさん。

レッスンでは、今までの自分の歌への考えが覆される発想を学ぶ事ができた。

今まで自分の身体を楽器として考えたことはあまりなかったが、つい肩で呼吸してしまっている癖、高音になると喉に意識が言ってしまう癖など、沢山の改善できるところに気付くことができた。

喉はあくまでも通気口で、お腹のまわりを膨らませるようにして声を出していくレッスン。

お腹に風船に空気を入れるように、だんだんストレッチさせていくと、体全体の酸素の循環も良くなって爽快な感覚だ。何度かのレッスンで、今迄出せなかったキーも喉を意識せずに出るようになった。

むしろ意識しなければしないほど良い声が出るというのが不思議だ。

パフォーマンスレッスンと同様、このレッスンも、全く違う歌い方を身につけるのではなく、自分の声の個性の最大の力強さを引き出すこと、そして喉への負担を最小限にすることが大事だということが、大変参考になった。

もっと早く知っておけば良かった!というほど目からウロコのレッスンだった。

パフォーマンス力を身につけるには?part2

今回パフォーマンスコーチングをしてくれたリチャードさんの勤める会社、Grant Pearson Brown Consulting Ltdは、大企業のリーダークラスの人たちにスピーチやプレゼン、ピッチング、メディアインタビュー等のコーチングをしているという。

具体的には、話し声のトーン、間の取り方、視線やジェスチャーなどを科学的に分析して、より説得力のあるパフォーマンスへと導くという方法らしい。

更には、心理学的に効果的な仕草や話し方もあるという。これらをほんの少し心がけるだけで与える印象を大きく変えることができる。

トレーニング方法としては、実際に話しているところをビデオに撮ることなどで自分の癖にまず気付くことから始まった。

自分の癖や印象は、本人が一番気付かないことだったりするからだ。

面白いと思ったのは、プレゼンテーションでは、実は話す内容よりもそれを『どうやって』伝えているかということが相手にとって一番印象深いという研究結果。

一回目のトレーニングを終えた後は、今までのパフォーマンスへの概念から、より客観的な観点を意識できるようになった。

それは無理矢理欧米風のオーバーアクションな話し方を身につけるのではなく、自分の個性や芯の強さを最大限に表現することが肝になる。

大事なのは、聞き手が何人であろうと、それぞれ一人一人に語りかけている空気を創り出す事、というアドバイスが印象的だった。

そんなことを心がけるのは、人前で話すのが苦手な自分にとっても、決して難しくないのだ。

今後日本でもこのようなコーチングの需要が高くなっていくに違いない。

ステージだけではなく日常生活やビジネスのコミュニケーションでも生かせるスキルだ。

海外で通用するパフォーマンス力を身につけるには?

日本とは求められる基準が格段に違うイギリスのステージパフォーマンス力。

そこでどうすれば、演劇大国イギリスでも勝負できるような、インパクトの強いパフォーマーになれるのか。

自分は性格上、普段はもちろんのことライブでさえダイナミックにふるまうことは苦手なほうだ。

ちょうどそれにピッタリのパフォーマンスコーチングをしているという、留学時代からの友人の旦那さん、Richard Keith 氏に話を聞く機会があった。

日本人を妻に持つ彼は、イギリスと日本人のコミュニケーション文化の違いも良く知っている。もともと演劇を学んでいたので、ステージでのパフォーマンスと、企業でのプレゼン、両方の環境の経験も豊富だ。

リチャードさん曰く、イギリス人と日本人ではコミュニケーション時に意識している『範囲』が違うという。

1対1と1対多数のコミュニケーションにおいては、その範囲が大きく変わるとともに、意識の範囲もスイッチを切り替えて広げていかなくてはいけない。

1対1の場合は、自分という最小の範囲から始まり、自分と相手と広げていく。

1対多数になると、それをとりまく人々、更には自分がいる空間(部屋、会議室、ホールなど)と、その意識の範囲を広げていく必要がある。

そんな状況になっても、日本人は個人の狭い範囲に意識が収まってしまいがちだという。

たしかにアイコンタクトを取っている時間も圧倒的に日本人が少ない。逆に見すぎたら変に思われる文化だ。

微妙な気遣いが美徳である日本のコミュニケーション文化は素晴らしいが、今や日本でも海外企業へのプレゼンの機会が増えていく中、印象深いパフォーマンス力が試されている時代だ。

このパフォーマンスコーチングでは、そんな意識の広げ方を様々なエクサーサイズを通して身につけてく。(つづく)img_7907