オーディション潜入part2

 

ここでこのオーディションで歌った曲の解説を少し。

“Famous”という歌で、これには皮肉を込めたストーリーがある。

色々な音楽業界の人たちと話す機会をいただいてきたが、彼らのフィードバックの共通点はただ一つ。

『有名になったら会いに来てね。そしたら美味しいとこだけ持ってくよ』

ここまでストレートには言わないが、意訳はみんなこんなもんだ。

それを”See me when you’re famous”という歌詞で歌にしたのがこの曲。

音楽関係者と謳う審査員の前で歌うんだったらこの曲がピッタリだろうと考えた。

アレンジは、声のサンプリングと変わったビートで、音のユニークさを工夫した。

これに声が乗って曲が成り立つ。つまりアカペラで歌っても間のリズムがないので成立しないのだ。

退屈極まりない表情の審査員の前で、安物ラジカセからうっすらリズムが流れる。

全然聴こえないからタイミングが一小節ズレるが、誰もこの曲を知らないので『あえてのズレですよ』風にすまして歌を続ける。

しまいにはワンコーラスで時間がないからとCDを止められる(私を含め後半の順番の人たちはみんな途中で切られていた)。

環境ひどすぎ、、

時間がないのは理解できても、出演者への配慮とリスペクトが全然感じられない。

そんなもの必要ないとでも思ってるのかな??

アマチュア、プロは関係ない。音楽そのものへの敬意の問題だ。

そんな敬意がない人たちが作ったこの環境は、英語(or日本語)が分からない人たちがその国の文学を評価しようとするようなものだ。

日本で良い環境で活動させてもらってきた私の期待や理想が高すぎるのかな??

それともどんな状況でも最大のアピールができる柔軟な実力が必要?

または、そもそもこういったお金集め目的臭漂う嫌な予感がする状況に自分を置かないようにすることが大事?←コレですね。

ということで、イギリスのソングライティング・オーディション潜入レポートでした!

おススメ度 ★☆☆☆☆

img_8001

ソングライティング・オーディンションを受けてみる

初めてのことにチャレンジ、がテーマのイギリスでの活動。

イギリスでリリースする予定の楽曲をとにかくより多くの環境で聴いてもらおうと、色々なことを試してみている。

ネットで調べてみると、沢山のソングライティングコンペティションがある。

参加費を払って曲を『業界の』人に聴いてもらうというものだ。

明らかに良い予感はしなかったのだが、見事その予想は的中することになる。

今やPR会社とシングルリリースの話も進んでいる。ここでオーディションに参加する意味は全くない。つまり完全な取り越し苦労だ。

お世話になってきている自分の音楽出版社からも、『そんなところで何やってんの?』と言われるだろう。

分かっていながらも、イギリスのオーディションってどんなかんじなんだろう、という好奇心の方が勝ってしまった。

こうとなっては完全にブログ用の潜入レポートだ。

まずはホームページから申し込み。一曲いくらという仕組みだ。ちなみにソングライティング部門は£10。

申し込みは全国から来るので、地域によって様々な会場で審査員の前でのオーディションが開催され、各会場を割り当てられる。

私が参加したのは、カムデンの老舗ライブハウス、Dingwallsでのオーディション。

img_7994 img_7995当日驚いたのは、ライブ会場なのに音響機材が一切使えなかったこと。それだったらどこかの会議室でやっても同じなんじゃない?と疑問。

参加者はやはりキャラが立っている。ギターの弾き語りスキニーパンツ系男子。アフロヘアーファンキー系女性。歌のレベルはバラバラ。しかもマイクがないので声が聴こえない人もいる。

面白いもので、やはり人気の歌手の真似風の歌い方が多かった。女子はしゃくり上げながら上下するアリアナグランデ系。男性はハスキーなエドシーラン系。

日本のオーディションは行ったことがないが、きっと日本でもみんな人気の歌手の真似をして練習しているのだろう。男子ならエグザイル系とか。

審査員はメジャーレーベルからの○○さん、が4人並んでいたが、正直一刻も早く終わってほしいオーラを出しまくっていた。

実際に私の順番が来たときには、顔も上げない。

CDのバッキングトラックを持って来てもいいとのことだったので、スピーカーがあるかと思いきや、安物のラジカセ。しかも音がめちゃめちゃ小さい!

ボリュームを少し上げてほしいと言うと、『十分大きいよね?』と一言。

カチンと来たがここは笑顔でうなずき、自分の出番が始まった。(つづく)

どんな曲をリリースしたいか

実はこの3,4年の間で、イギリスでリリースするという目的でデモ音源を何十曲も作って来た。
イギリスのプロデューサーに聴いてもらったり、ロンドンやスウェーデンの作家たちと共作してみたり、色々な課程を経てきた。
英語と日本語で歌って来たこともあり、自分の作る曲は洋楽寄りだとずっと思って来た。間違いなく王道のJPOP歌謡曲的ではないし、洋楽の雰囲気が自分の個性だと思っていたのだが、、
いざイギリス用に作ってみると、現地のプロデューサーからは、JPOPらしい影響がまだ抜けていないという辛口のコメント。
現地で流行っている曲を聴いて研究してみたり、何度も曲を作り直してきた末になんとなく分かってきたことは、一番大事なのは『ムード』ということ。
歌詞がどうとか展開があるとかサビが印象的だとか、日本で求められていることをやるとUKではtwee(子供っぽく、わざとらしい)と嫌がられる。これを逆にネタにして話題になっているアイドルなどもいるが、これは私の目指しているジャンルではない。
JPOPと洋楽は、漫画と油彩画ほど違うということ。全体のトーンをいかに独自の世界観で染められるかが、音源の大事なポイントになってくる。

歌詞はどうだろうか。
目指したいアーティスト像は、ケイト・ブッシュ、ジョニ・ミッチェルやピーター・ガブリエルなど、偉大なストーリーテラー達。けれど歌詞を良く聴いてみると、ものすごく身近なことを書いている。
ケイト・ブッシュの最近のオリジナル作品では、長年主婦をやってきた彼女らしい、『洗濯機の歌』もある。洗濯機を眺めていたらその中が海の景色に変わってきて、、という、まさに日常的なものをユニークな見方で独自の世界へと展開していくのだ。
そんな歌詞のテーマからインスパイアされて、何十曲も作った末に始めてできた納得のいく作品のテーマは、『出張』。ビジネス・トリップというタイトルで、旦那さんの出張を待ちながらスーツをドライクリーニングに出す自分、自分がツアーに行くのも出張、そして曲づくりをする小さな箱はオフィスのスペースのようだというテーマで作ってみた。
この曲がきっかけで、自分の歌の全体の世界観がなんとなく見えてきたきがする。

IMG_7115